森村衣美のご遷宮へのいざない
プロローグ
NPOちんじゅの森・ご遷宮との出会い

はじめまして、森村衣美と申します。
私がNPOちんじゅの森と出会ったのは、もう10年ほど前のことになります。26歳の時です。
代表の中尾さんに出会い、明治神宮の森は、人の手で作った人工の森だということを教わりました。大都会の真ん中に位置するあの豊かな森が、100年に満たない人の作った森であることを知り、驚きました。「森」は、昔からおのずとそこに存在したものと思い込んでいたのです。人が壊さなかったから森が残っていたのでなく、人が作って豊かに育った森。今から作れば100年後にもう一つ森ができる。10年前、その中尾代表の言葉に感動しました。以来、NPOちんじゅの森の活動をお手伝いしています。
その頃、NPOちんじゅの森は、明治神宮の森の中でコンサートを行ったり、神社の木々と二酸化炭素の排出量のかかわりを調べるCo2調査を行ったり、あちらこちらの神社や幼稚園で民話語りなどを行っていました。
このNPOちんじゅの森を、中尾さんが設立したきっかけは、平成5年(1993年)に行われた第61回神宮式年遷宮、つまり伊勢神宮の「ご遷宮」にあるとのことでした。「何?ごせんぐうって…」。知らないことばかりです。
そもそも私がNPOちんじゅの森の中尾さんに出会ったのは、自分の父を介してでした。私の父は、伊勢神宮とかかわりの深い都内の神社に電車で通勤する神主なのです。しかし我が家は、会社勤めのお父さん同様、神社勤めの父親がいるだけで、核家族のごく普通の家庭でした。私は「ご遷宮」のことをまるで知らないまま、大人になりました。家庭の教育にも問題があったにちがいありませんが、私が知らないのですから、特別に興味を持った人でない限り、少なくとも同年代の友人は「ごせんぐうって何?」、もしくは「ごせんぐう」という言葉を耳にする機会さえなく、26歳になったのではないかと思います。

さて、平成5年から、20年がたちました。ちょうど20年たって、この秋、伊勢神宮では再び「ご遷宮」が行われます。第62回神宮式年遷宮です。「式年」とは「定まった年」の意。「遷宮」とは「お宮を遷す」、つまり神様に新しいお社にお引越しいただくこと。20年を式年と定めた伊勢神宮の「ご遷宮」が、平成25年、第62回目を迎えます。計算してみるとスゴイなーと思いませんか。そう、伊勢神宮の「ご遷宮」は、1300年以上前から続く、時間的にも内容的にも、壮大なお祭りなのです。第1回は、西暦690年。持統天皇4年のことです。持統天皇4年って…。私の生活とは分断されたような、かつて教科書の中で出会い、過去の歴史の中にいた持統天皇が、一気に現在にお出ましになった瞬間です。

私はNPOちんじゅの森に出会い、「ご遷宮」に出会いました。この度、当ブログのご遷宮コーナーを担当することになりました。NPOちんじゅの森は、今回のご遷宮に向けての準備が始まった平成17年から、ご遷宮を全くご存じない方を対象に、様々な講師の先生をお招きして、フォーラム「はじめてのご遷宮」を開催してきました。フォーラムにお越しくださったたくさんの講師の先生から伺った「ご遷宮」を、今度は私自身を通して皆さまにお伝えしたいと思います。

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